出来る検査について

【胸部レントゲン】

レントゲンでは、心臓の大きさや形、肺に水がたまっていないか(肺うっ血や肺水腫)などを確認できます。
心不全になると、心臓がうまく血液を送り出せなくなって、血液が肺にたまることがあります。
そうすると肺が白っぽく写ったり、心臓が通常より大きく写ったりします。
また、似たような症状を起こす肺炎や気胸、腫瘍などの病気との区別にも役立ちます。
レントゲンは数分で終わる簡単な検査ですし、被ばく量もごくわずかですので、体への負担も少ない検査です。

【心電図】

心臓は、電気信号によってリズムよく動いて血液を全身に送り出しています。
心電図は、その電気信号を体の表面から記録することで、心臓が正常に動いているかを調べる検査です。

たとえば、不整脈(脈の乱れ)がないか、心筋梗塞や狭心症などの、心臓の血管に関係する病気が隠れていないか、心臓のリズムが遅すぎたり早すぎたりしていないか、といったことがわかります。
検査自体は痛みもなく、数分で終わる安全な検査です。

【心臓超音波検査】

お腹の赤ちゃんを見るときのエコーと同じように、超音波を使って体の中を映し出す検査です。痛みもなく、体への負担も少ない検査ですのでご安心ください。

心臓がきちんと動いて血液を送れているか心臓の筋肉が弱っていないか弁(逆流や狭くなっていないか)に異常がないか心臓の大きさや壁の厚さがどうなっているかといったことが、実際に「動いている心臓の映像」で確認できます。心不全や心筋症、弁膜症などの診断・重症度の判断にとても大切な検査です。

今の症状(例:息切れ・動悸・むくみなど)の原因を正しくつきとめるために、ぜひこの検査を受けていただきたいと思います。

【頸動脈超音波検査】

頸動脈は、首の左右にある脳へ血液を送る大切な血管です。
高血圧、糖尿病、脂質異常症(コレステロールが高い)、喫煙習慣などがあると、この血管が動脈硬化(血管の老化やつまり)を起こしやすくなります。
この検査では、頸動脈の壁の厚さや、血流の速さ、プラーク(血管のコブやつまり)の有無などをリアルタイムで見ることができます。

頸動脈の状態を調べることで、脳梗塞のリスクが高くないか、全身の動脈硬化の進み具合、心臓病や血管病の危険性の程度などがわかります。
検査は痛みもなく、首にゼリーを塗って超音波でなでるだけの安全な検査です。
生活習慣病がある方や、脳卒中や心臓病のリスクが気になる方には、とても大切な検査です。

【ホルター心電図】

24時間分の心電図を記録する検査です。
小さな装置を体につけて、普段通りの生活をしながら、心臓のリズムを長時間にわたって調べることができます。
通常の心電図は、ほんの数十秒の記録なので、一時的な不整脈や胸の違和感などが検査中に出ないと見逃してしまうことがあります。
一方、ホルター心電図は長時間記録することで、動悸や胸の痛みがあるときに、心臓がどんな状態か、不整脈が出ていないか、出ているならどんな種類か、脈が速すぎたり遅すぎたりしていないかなどがより正確にわかります。
装置は小型で軽く、お風呂以外は普段通りの生活ができます。
症状の原因を調べたり、治療の必要性を判断するために、非常に大切な検査です。

【運動負荷試験】

この検査では、自転車をこいだりして体に軽い負荷(運動)をかけながら心電図を記録します。
心臓の病気、特に狭心症(心臓の血管が狭くなる病気)などは、安静にしているときには心電図に出ないことが多いのですが、運動をすると心臓に負担がかかるため、症状や心電図の変化が現れることがあります。
この検査によって、胸の痛みや圧迫感が心臓由来かどうか、運動中に不整脈や息切れが出る原因、心臓が運動にどのくらい耐えられるかなどがわかります。
検査中は医療スタッフがそばでしっかり見守っていますので、安全に行える検査です。
今の症状の原因をはっきりさせて、今後の治療方針を決めるうえでも非常に大切な検査ですので、ぜひご協力をお願いいたします。